<本>「孫子に経営を読む」(著者:伊丹敬之)
以前、野中氏の著書で孫子が紹介されていたので、ついでにと思って購入。
書中で書かれている通り、原典の順番に拠らず、テーマ毎に纏められている点は、確かに頭を整理しつつ読みやすい。
また、読み易くするための工夫として、1セクション3千字程度としている点は、確かに読みやすい。ただ深堀がその分不足しているような感覚は否めない。
それぞれのテーマが、言われてみれば当たり前、ただそのことを自覚するのが難しい、というようなことだけに、どうすればそれを自覚して行動できるのか等についても具体的な示唆があればなお良かった。
勿論、指摘自体は考えさせられることは多く、戦わずして勝つ、というようなことについては、どんぐりの背比べになっている私の業界(建設業)でいかに実践するか、これから国内市場が縮小する中では考えなければならない課題。
なお一点、この書籍で言うところの「戦略」がどのレベルの戦略を指すのかについて、必ずしもそれぞれの場面において明確ではないので、その辺りの議論を整理してもらえるとなお理解がし易かった。