読んだもの・食べたものの防備録

<本>人と企業はどこで間違えるのか?(著者:ジョン・ブルックス)

久しぶりの本の紹介。

企業の失敗談等、10の話から構成。

 

企業が重大な失敗に陥ろうとする、あるいは実際に陥って重大な危機に瀕する場面を紹介する話が大半だが、後書きでも触れられている通り、この手の本にありがちな抽象化・一般化を行うことなく、丁寧に、かつ臨場感を持って事件そのものを書いている点が特徴。

時代的には相当前の話ではあるが、色褪せることなくイメージを抱きながら読み勧めることが出来る一冊。

 

いずれも示唆に富んだ話だが、特にGEのコミュニケーションにまつわる話が印象深い。

コミュニケーション不足が、(勿論それだけが理由ではないだろうが)反トラスト法違反を犯す遠因になるという話でしたが、言葉が言葉通り受け止められないほどの機能不全に組織が陥る様が克明に描かれている。

「まっとう」なことを伝えるのに、いかに真意を伝えることが難しいか、それが特に企業の利益に直結する場合にはさらに難しさが増すということが良く分かる。

 

ここではおよそ紹介できないが、読みやすさと教訓を両方兼ね備えた、非常に良い一冊。

 

 

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」

人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」